前回の ブログにおいて、医療従事者にとってのWi-Fi 6の様々な利点について述べました。この続編では、Wi-Fiデバイスやネットワークのテストについて、より詳細な考察を行います。
医療従事者のネットワークやデバイスのテスト
米国のFDA 510k認証やIEEE/ANSI Wi-Fi C63.27規格など、各地域の規制に準拠するには、医療機器メーカーによる、デバイスの機能性や安全性を担保するために厳格なテストが必要となります。加えて、ヘルスケア施設はWi-Fiネットワークを定期的にテストし:
施設全体でユビキタスなWi-Fiカバレッジやパフォーマンスを確保:
医師や医療スタッフが電子医療記録(EMR)や医用画像に、ハンドヘルド機器やコンピューターオンホイール(COW)からアクセスする必要があります。処方箋や臨床処置も無線で行なってワークフローを効率化するため、信頼性の高いWi-Fiネットワーク接続が必要となります。幅広いレンジの無線デバイスを搭載:
病院のベッド、点滴ポンプ、換気設備など多くの医療機器は、Wi-Fiネットワークを通じて、生命維持に関わる警告を患者モニタリングセンターに送ります。こうした機器のオペレーションは、Wi-Fiネットワークの混雑やラジオ波の干渉にかかわらず、不可欠となります。医療現場に類似した環境で「もしもの場合」シナリオをモデリング:
医療施設の壁は、手術室、レントゲン室、病棟、待合室など、それぞれ不均質な構造を持ちます。ラボで先進的なツールを使用することで、病院のラジオ波特性を潜在的な干渉源とともにモデル化し、アクセスポイントを設置する前に、様々な状況下でレンジやローミングの機能性をテストできます。エンドユーザーに対するサービスパフォーマンスや体験品質を保証:
医療施設のWi-Fiネットワークは、医師、医療スタッフ、患者、来院者にとって様々なユースケースを満たします。医師は、高い帯域幅を必要とする重要な医療アプリケーションにアクセスする必要があり、患者や来院者は各々が持参したデバイス(BYOD)でWi-Fiネットワークにアクセスできる環境を必要としますが、ネットワークセキュリティに妥協は許されません。ネットワークのセキュリティおよび脆弱性をテスト:
施設全体で、有線・無線のネットワークの使用で安全性を担保するために。
米サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)、米連邦捜査局(FBI)、米保健福祉省(HHS)の共著によるジョイントサイバーセキュリティアドバイザー(2020年10月28日発行)には、以下が記されています:
サイバー犯罪者達が、TrickBotやBazarLoaderマルウェアで医療および公共医療(HPH)セクターを狙っており、ランサム攻撃、データ窃盗、医療サービスの中断を引き起こしている。
COVID-19パンデミックに直面する状況で、これらが大きな問題となっている;したがって、行政当局によるサイバーセキュリティ投資に、こうしたリスクを考慮した配分への見直しが必要。
国際刑事警察機構(INTERPOL)の事務総長であるJürgen Stockが、2020年の前半に同様の懸念を表明した:
新型コロナウイルスの治療にあたっている世界中の病院や医療機関が、患者の命よりも利益を求める無情なサイバー犯罪の標的となっています。
不幸なことに、サイバー攻撃により病院や医療機関のサービスが中断させられるケースが世界中で増えており、患者の移送などを余儀なくされています。こうした背景により、医療従事者のネットワークの脆弱性を評価し、セキュリティプロトコル(WPA3、WPA2など)のテストやキャプティブポータルの安全性の認証などを含む、ネットワークの侵入テストをすることが従来に増して重要となっています。
医療従事者のための信頼性と安全性の高い接続性を保証
Wi-Fiのカバレッジが治療やワークフローにとってミッションクリティカルになっており、医療従事者のWi-Fiネットワークがその役割を果たせる状況を確保する必要があります。しかし、医療従事者に固有の導入シナリオに基づいてWi-Fiネットワークやデバイスのパフォーマンスを改善・最適化することは、簡単ではありません。
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