Spirentサークルロゴ
5G

次世代アプリの要求に応えるためにアシュアランスを拡張

By :

次世代アプリのパフォーマンスを保証する場合、通信サービスプロバイダーはベストエフォートの手法に頼ることはできません。イベント駆動型の5Gアーキテクチャへの転換に際し、サービスアシュアランスが検証に関して重要なデータ源となりつつある状況を解説します。

前回の記事右矢印アイコンは、高効率な5Gのロールアウトの基礎をしっかりと固めるうえで、アクティブサービスアシュアランスが果たす役割に注目しました。5Gとサービスが発展するにつれ、こうした基盤は、オペレーターの拡張を支えることが期待されています。

現在、消費者や産業界はスピードに魅力を感じていますが、真の驚きは、全く新たな体験を提供できて初めて得られることを当社は知っています。それには人生を一変させるものもあるでしょう。ミッションクリティカルな体験も得られます。さらに便利な時代を開くイノベーションが起きるはずです。また、いつもどおりの楽しさを提供してくれることもあるでしょう。

車両-外界(V2X)通信は、交通を一変させ、安全を増し、交通渋滞を解消します。マシン間(M2M)通信は、倉庫管理と工場運営を一変させます。すべてがIoT化されることで、扱うすべてのデバイスがスマート化します。拡張現実(AR)は、必要なタイミングで情報を提供してくれます。モバイルゲーミングを新たなレベルへ引き上げます。

もちろん、ここでは最終的な成果について述べています。特に、すべてが正常に動作した際に得られる体験です。しかしその前に、克服すべき課題があります。

今日に至るまで、高速接続など、単純な5Gサービスを維持するだけでも、あまりに多くの問題がつきまとっています。市場に投入される広範な次世代アプリとリスク低減の約束がもたらす、無限の複雑さも加わります。

5Gサービスの拡張を脅かす無数の課題

一連の新サービスに関係するトライアルとコンセプト実証(PoC)を知らせるニュースは刺激的で、勇気づけられます。

しかし、ネットワーク内で特定の要件を満たすために設計されたテストラボや一部の静的な現場にくらべ、実際のネットワークははるかに過酷です。

サービスが期待通りに動作するために、解消しなければならないすべての問題を考えてみてください。多種多様な場所からネットワークへ登録されるデバイスのそれぞれで、パフォーマンスの最低要求が課されます。こうしたデバイスは移動していることがあり、オペレーターが所有しない可能性のある広範囲なモバイルサイトや、さらにはネットワークにいたるまで、サービス提供が要求されます。適切なネットワーク機能を正しい場所へ実装し、必要に応じてサポート機能を発揮させなければなりません。適切な演算リソースを、適切な場所に配置する必要があります。定義済みの最低パフォーマンスを維持しなければなりません。

ネットワークを、すべてのサービスで使用されるあらゆる形態へ設定できないことが分かれば、ネットワークスライシングの役割が明らかになります。スライシングはネットワークを分割し、指定されたレーンを特定のサービスやデバイスへ限定させます。一部のスライスは、超低レイテンシに最適化されます。セキュリティを最重視するスライスもあります。また、大容量の帯域を扱うよう設定されることもあります。

現在の汎用コンシューマー5Gと異なり、今回の記事で扱う、サービスのB2BやB2B2Cの分野では、ベストエフォートの手法は許されません。通信サービスプロバイダー(CSP)にはその贅沢がありません。さらに悪いことに、一部のサービスではパフォーマンスが低下すると、文字通り生死を分けることがあります。

こうした事情が理由で、多くのCSPはアシュアランスが嗜好品ではなく、絶対的に必要なことを認識せざるを得なくなっています。

引用文

こうした事情が理由で、多くのCSPはアシュアランスが嗜好品ではなく、絶対的に必要なことを認識せざるを得なくなっています。

次世代のサービス提供におけるSLAの役割

サービスレベル契約(SLA)は、次世代アプリで許容されるパフォーマンスを維持するための保証を設けるために必要となります。サービスアシュアランスは、5Gが業務/運用のサポートシステム(B/OSS)のあらゆる側面を変革する中、その要件を満たすために重要な役割を果たします。

イベント駆動型の5Gアーキテクチャへの転換に際し、サービスアシュアランスはオペレーターのネットワークですでに存在しているものの、検証に関して重要なデータ源となりつつある状況を解説します。時間をかけて、サービスアシュアランスは閉ループとアドホックのライブネットワークテスト機能を用いて、パフォーマンスのモニタリングだけでなく、劣化事象の隔離すらできるよう発展してきました。今日のベストプラクティスは、こうしたソリューションを仮想化し、分散させ、拡張性を持たせ、動的にし、また最も重要なことに、将来のニーズを満たせるよう柔軟性をもたせることです。

この分野で当社は顧客との提携を通じて、5G実装に関してサービスアシュアランスソリューションを評価する際に重要な、以下の要件を特定しました。

  • 拡張性:リアルタイムにリソースを素早く拡張または縮小できる、クラウドネイティブの分散ソリューションは、エンドツーエンドのネットワークでアクティブ監視が必要な5Gのスライシングを牽引します。

  • スピード:ネットワークを理解するのに時系列のデータは重要ですが、イベント駆動型のアーキテクチャではリアルタイムの主要パフォーマンス指標分析が必要です。

  • マルチドメイン:複雑な技術領域の数々にまたがってサービスとネットワークのパフォーマンスをモニタリングするアクティブ機能が、5Gアーキテクチャ全域に実装されたサービスを保証し、エンドユーザーが要求する体験を提供します。

  • 機能:モニタリング用のアクティブテスト、隔離用の閉ループテスト、問題解決用のアドホックテストをNetDevOpsへ統合して、ネットワークで真の透明性を得る必要があります。

次回の記事では、新たなネットワークアーキテクチャ用の次世代サービスを提供するうえでSLAが果たす役割を掘り下げます。5Gアクティブアシュアランステストが持つ役割についての詳細は、ホワイトペーパー:積極的に手を打つ時期の到来:5G、SD-WAN、&NFVに自動化されたアクティブアシュアランスが必要な理由右矢印アイコンをご覧ください。

コンテンツはいかがでしたか?

こちらで当社のブログをご購読ください。

ブログニュースレターの購読

Justin Robinson

リードソリューションアーキテクト

Justinは30年以上にわたってティア1のCSPで世界的に活躍し、有線と無線のテクノロジー、クラウドインフラ、リアルタイムのネットワーク要件をサポートするOSSソリューションの分野で、ソリューションを設計して提供してきました。彼はNEMとCSPの両方で働き、運用の最適化で業務上の付加価値を提供することに焦点を当てた新規テクノロジーを啓蒙し、導入してきました。Spirentでは、Justinはマネージドソリューション部門のリードソリューションアーキテクトを務め、ラボから実世界への導入と運用で起こるかつてない規模のネットワークの変化でCSPが直面する課題のソリューションを提供しています。