ORANの堅牢性、パフォーマンス、相互運用性についての議論はまだ続いていますが、ORANは山を駆け降りる雪だるまのように、拡張を続けています。また、日増しに勢いと規模を増しています。
ほとんどの関係者は慎重に試している段階ですが、ほとんどはORANがもたらす将来を期待しているように見えます。この段階では、それがいつ起きるか、の問題です。
Spirentが最近行った2つの調査では、採用の時期と戦略を最終的に決定する主な要素は、自信であることが判明しています。オペレーターのコミュニティは、低価格化、イノベーションの活性、市場投入の短期化、新たな収益源を目の当たりにしています。現在、開発部門と品質保証部門、そしてそれらのパートナー企業は、すべてを現実化する方法を決定しなければなりません。
調査データを検証した際、回答者の40%が、複数のベンダー間での相互運用性を、短期的には最大の課題として述べたのは、予想していました。しかし、当社が注目した新たな動向は、回答者の20%近くが、短期的にはパフォーマンスと堅牢性が最も重要な課題であると答えた点です。それは何を意味するのでしょう? 「ORANは現実に起こっています。まだ初期段階なのは事実ですが、従来のRANネットワークで得られていたのと同じ水準に達するにはどうすればいいか、今すぐ解を得なければなりません。
適切なタイミングで正しい手法を使用
調査結果では、オペレーターの3分の1以上が、ORANは限定的利用に十分なほど成熟している、と考えていることもわかりました。一部の回答者は、ORANの初期はプライベートネットワーク、田舎と屋内での導入をサポートするようになると考えています。回答者の大部分は、完全に成熟化するまではまだ1~2年かかり、その時点ではマルチベンダーが現実化すると考えるオペレーターの数がクリティカルマス(臨界点)に達します。

多彩な端末間で、高速で大容量の通信を提供するために、マッシブMIMO(マルチ入力、マルチ出力)を使用したマルチ要素のアンテナや、高精度ビーム用のデジタルビーム形成といった重要な機能をサポートする必要性が認識されています。特定の緊急対応機能と規制要件への準拠も、大きな課題と見なされました。特定のオペレーターが現時点で採用にいたる道のりのどこに位置していても、初期に考えられていたよりも早く準備を整える重要性の証拠(および期待)が高まっているのは確かです。少なくとも、ORANの影響を可能な限り早く理解することが不可欠です。計画された戦略が業務目標と技術目標をどこで満足させ、どこで不足しているか、です。
当社は最近、この発見プロセスがどう機能するかを、成功を生むOpen RANテスト戦略の設定方法記事で紹介しました。結論:早めにテストし、隔離してテストし、様々な組み合わせをテストし、エンドツーエンドでテストし、実世界のトラフィックと無線シナリオを同時にエミュレートすることです。そして、次世代の自動化機能を活用して、連続テストで何度も、何度も繰り返すことです。
ORANはかなりの学習が必要です。実装前にすべてのテストと計画を実施することは、その第一歩です。そこから、アーキテクチャ、プロセス、部門にまたがって、自信を身に着けることの重要さにつながっていきます。一部の企業では、シングルベンダーの手法から初めて、そこから拡張することを意味します。どの手法であれ、一つとして同じ道のりはないことを当社は理解しています。
ORANはかなりの学習が必要です。実装前にすべてのテストと計画を実施することは、その第一歩です。そこから、アーキテクチャ、プロセス、部門にまたがって、自信を身に着けることの重要さにつながっていきます。
最適な位置づけにあるパートナー
主なインテグレーターとしてどの企業と提携する予定であるか問い合わせたところ、回答者の3分の1以上が、システムインテグレーターと提携すると答えました。従来のRANベンダーと提携すると答えたのはわずか5分の1に過ぎず、新興のORANベンダーに依頼すると回答したのはさらに下回っています。社内部門を活用すると回答したのは8%に過ぎませんでした。

オペレーターはこれほどの大規模で複雑な、前例を見ない動きをサポートできる企業としてどれを信頼できるか、探っています。ティア1のオペレーターではベンダーのオンボーディングに、通常はかなりの徹底した作業をかけるため、これ自体が課題となります。オペレーターの一部は、新興のORANベンダーではそれまでの社内基準を満たせないことも発見しています。どう対処しようとも、リスクがつきまといます。プロセスの段階すべてでそのリスクを解消するためにテストし、実際稼働するネットワークで変化が起きた場合に、連続検証能力を得ることに全員が焦点を当てています。
繰り返しますが、すべては自信につながります。パフォーマンス、堅牢性、拡張性、準拠性、セキュリティ、メンテナンスに自信がなければなりません。また、しかるべき領域以外に費用がかからない保証が必要です。
誤解なきよう、これは次世代のテストと自動化のため、将来に向けた最適な方向性を最終的には示してくれます。どんな手法をとろうとも、どの選択肢も、ORANに結実する見通しです。今必要なのは、それにいたる最適な方法を見つけることです。
Open RANについての詳細は、当社の新しいeブックをお読みください:Open RAN – 入門。