私たちは程度の差こそあれ、世界中のお客様が同じような問題に取り組んでいるのを目の当たりにしてきました。サービスプロバイダ、機器メーカー、サプライヤおよび企業はテストラボの電力と冷却コストの制御について共通の関心を持っています。さらに持続可能性と環境への影響の最小化も重視されています。
過去2年間、米国では商業用エネルギー価格が平均13%上昇しました。米国の一部や世界のある地域ではその平均を超えて急騰しています。テストラボの場合、ネットワーク機器が知的に制御されていないと5G機器は4Gの2~3倍のエネルギーを必要とすると言われています。私たちはそれを回避する企業を見てきました。
すべてのラボは異なりますが、あるTier1キャリアの例ではテスト機器の利用ポリシーが時代遅れで収益に影響を及ぼしていました。昔は使用していないときでもすべてのテスト機器が稼働していました。しかしエネルギーコストが高い現在、それは不可能なことです。どの程度電源が入ったままになっているのか気になるところです。

この例ではTier 1 のテスト機器の 77% が 90% の時間、電源を入れたままになっていました。このような割合のテスト機器がその時間だけ稼働していると、運用コストに大きな影響を与えます。エネルギーコストの削減を目指すラボ管理者にとって、ラボ管理戦略のどこに優先順位をつけて改善すべきかはとてもシンプルで、ラボの機器利用を効果的に管理するソリューションを導入することです。
しかし、それは全体像の一部に過ぎません。
省エネルギーのための包括的な戦略
インフレ傾向がすでに高いエネルギーコストに大きな影響を与える中、リーダーたちはこの課題に対処するために有意義で総合的な解決策を模索しています。ここでいう「総合的」というのが重要な言葉になります。この目標を達成するために意思決定者はラボのテストハードウェアがエネルギーを大量に消費すること、また高度に空調された環境で未使用の機器がしばしば起動したままになっており、ラボの利用状況が非効率的であることをまず認識する必要があります。さらに冷房費や電力費の上昇に加え、冗長な機器によって同じラボ内の他チームや他のグローバル拠点での予算支出が増加するため、設備投資コストが高騰しまさに予算が厳しくなっています。
しかもそれで終わりではありません。
このような対策を検討している組織は従来、これに対処するためにラボ最適化ソリューションに目を向けていました。ラボ最適化ソリューションを採用する際はより幅広い効率性を計画することが予算を最大化する鍵になります。 なぜでしょうか? なぜならばテストのあらゆる側面に手作業によるテスト構成が関わっている限りOPEXは上昇し続けるからです。これは高い人件費、生産性の低下、市場投入までの時間の遅れにもつながります。
将来を見据えたテストラボ最適化ソリューションには、以下のようメリットがあります。
ラボの統合により、物理的なスペース、エネルギー使用量、二酸化炭素排出量を削減できる
共有機器と自動テスト・スケジューリングにより機器使用率を削減できる
未使用機器を自動電源停止にすることで最適な電力消費を管理できる
データ駆動型の設備投資とプランニングのために正確な設備利用状況レポートを入手できる
地域ごとのさまざまな課題に対応するSpirentのグローバルソリューションはネットゼロや持続可能性プログラムも考慮しています。
これらは多くの組織が独自に達成するのはもちろん、一部のテストラボ最適化パートナーにとっても難しい注文です。成功の鍵の1つはラボ内のすべてのテスト機器とシームレスに接続する独自プラットフォームを持つ「ラボ管理&自動化」のプロフェッショナルパートナーを選ぶことです。
独自のプラットフォームを持つということは顧客のニーズに合わせてプラットフォームを進化させられるということです。市場にあるラボ最適化プラットフォームの中には顧客の要望と直接リンクしない独自のロードマップを持っていることが多くあります。
私たちはそのような事態を目の当たりにしてきました。それは不必要なフラストレーションの原因となり、長期的に見れば高価な提案となり得ます。場合によってはソリューションが顧客と共に成長できず、新しいソリューションへの移行が必要になることもあります。成功の鍵は最初から正しい選択をすること、そして適切なタイミングで適切な質問をすることにあります。